グッテレシピに込めた想い
はじめに
今この記事をご覧になられている方は、病気を抱えながらの食事に不安や迷いがあったり、病気による食の制限からくるマンネリ化に悩んでいるかもしれません。
グッテレシピは、患者さんの希望を形にした患者さんによる患者さんのためのレシピサイト です。患者さんより、患者さんが実際に作成したレシピをご提供いただき、レシピをご覧になる患者さんが判断しやすいように専門家が栄養計算や解説をして、症状に応じたアレンジ方法なども記しました。また、患者さんは体調が変化するので、体調や症状で探せるようにしました。さらに、レシピを探すことを楽しんでいただけるよう、患者さん目線のジャンルやタグを設けました。グッテレシピを利用する患者さんが少しでも食事に安心でき、食の選択肢を増やしながら、食に楽しみを感じられるようになることを心より願っています。
グッテとは
グッテは、「“つながり”を通して病気とともに歩む人の人生を豊かにする」を企業理念に掲げ、従来の医療システムでは解決が困難な患者さんの“日常生活の課題”にソリューションを提供する企業です。米国ミシガン大学留学中に出会ったバックグラウンドの異なる医療の専門家である仲間と、患者さんが安心して生活できる社会にしたいとの思いで、2018年に会社を立ち上げました。
2019年に立ち上げたIBD(国の難病に指定されている潰瘍性大腸炎、クローン病)患者さん向けオンラインコミュニティ『Gコミュニティ』は、患者さんやご家族が病気に関わる様々な課題を解決するために、医療の専門家や他の患者さんに自由に相談できるプラットフォームです。病気や薬、食事・栄養、就労などあらゆる内容の質問が投稿され、専門家が回答することで多くの情報が蓄積され、患者さんの支えになっています。グッテにはIBD患者スタッフもおり、日々患者さんの生の声を聞きながら改善に努めています。
しかし、多くの患者さんとお話しする中で、Gコミュニティではその時に生じた疑問は解決できても、日常生活の課題、特に食に関する悩みの解決は難しいと多くのご意見をいただきました。食は毎日のことなので悩みも多く、食べれる食事、食材は何か、決まった食材による食事のマンネリ化、いつも悩んでばかりで食事を楽しめない、など悩みは多岐にわたります。
また、食の悩みはIBD患者さん固有のものではなく、IBSをはじめとする消化器疾患患者さん共通の悩みであることも分かってきました。そのため、食に悩む消化器疾患患者さん共通の改題を解決する方法がないか思案し始めました。
患者さんの要望で始まったグッテレシピ
そんな中、1人のIBD患者さんより、自分と同じような病気や症状の人のレシピを知ることができるサービスを作って欲しい とご要望をいただきました。
グッテレシピは患者さんによる患者さんのためのレシピサイト
診断初期や食のマンネリ化に悩む方の中には、毎度の食事を苦痛に感じていたり、食の楽しみを失ってしまった方もいます。しかし、食事は毎日のことなので、食事が楽しみに感じると人生も楽しくなると確信しています。そのため、患者さんに「安心・おいしい・楽しい」をお届けする、その信念の元、グッテレシピを立ち上げることにしました。
特に診断初期の患者さんが”安心”を感じられるよう、体調に合わせて検索出来たり、栄養成分を昇順、降順で探すことができたり、管理栄養士による体調に合わせたアレンジを掲載しました。また、できるだけレシピの重複を避け、患者さんアンケートで要望の多かった項目をタグやジャンルに設定することで食のマンネリ化に悩む患者さんにレパートリーを増やしていただけるようにしました。
こうしたグッテの想いに共感いただき、多くの患者さんや患者さんのご家族の方よりレシピを提供いただき、患者さんによる患者さんのためのレシピサイト「グッテレシピ」をオープンすることができました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
最後に
グッテレシピを通じて1人でも多くの食に悩む患者さんが、食の「安心・おいしい・楽しい」を感じていただけるようになりましたら、私たちにとってこの上ない喜びです。
代表プロフィール
代表取締役社長 宮﨑 拓郎
米国登録栄養士(RDN)、公衆衛生学修士(MPH)、中小企業診断士。帝人ファーマ(株)で事業開発等を経験後退職し渡米。2018年ミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。同大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学消化器内科で臨床試験(低フォドマップ食/アプリ等)に従事。在学中に日本で起業し帰国後代表。講談社より書籍2冊を共著で出版。食事指導にも従事。